建築基準法をみていると、3階以上、階 地階 と記載されています。
しかし、法第27条(別表第一)には3階以上と記載していますが、
はてな
階数、階、地階の定義がわからない。
いまいち階数や階の違いがわからない。
そんなときのために、この記事では、階数、階、地階ついてまとめています。
また、特定行政庁や民間確認検査機関によって、取扱いが違う場合があります。
判断に迷う場合は、これを参考にご相談ください。
なお、法文等は参考で記載している部分もありますが、全文を確認される場合は、お手持ちの法令集等をご確認ください。
階数・階・地階とは
それでは、建築基準法での階数・階・地階について確認しましょう。
ポイント
階数は床が重なり合う最大の数であり、屋上部分および地階は不算入となる場合があります。
階数:重なりあう床の数
階数とは、「地上2階地下1階」ということでないです。
1棟の建物がいくつ階数を有しているかです。
よって、「地上2階地下1階」ではなく「階数3」の建築物である。ということです。
建築基準法では、法第92条と施行令第2条第1項第8号に記載されています。
条文
法第92条(面積、高さ及び階数の算定)
建築物の敷地の面積、建築面積、延べ面積、床面積及び高さ、建築物の軒、天井及び床の高さ、建築物の階数並びに工作物の築造面積は政令で定める。
令第2条第1項八号
昇降機塔、装飾塔、物見塔その他これらに類する建築物の屋上部分又は、機械室その他これらに類する建築物の部分で、水平投影面積の合計がそれぞれ当該建築物の建築面積の1/8以下のものは、当該建築物の階数に算入しない。また、建築物の一部が吹抜きとなつている場合、建築物の敷地が斜面又は段地である場合その他建築物の部分によつて階数を異にする場合においては、これらの階のうち最大なものによる。
昇降機塔、装飾塔、物見塔その他これらに類する建築物の屋上部分とは
- 昇降機塔、装飾塔、物見塔
- 屋上利用のための階段室
- 昇降機の利用のための昇降ロビー
- 用途上、機能上及び構造上、屋上に設けることが適当な各種機械室
- 上記に付属する階段室等
となります。
似たような定義で、「令第2条第1項6号ロ」では階段室ということばが使われています。
しかし、「令第2条第1項8八号」では階段室ということばが使われていません。
よって、階段室は含まれないという解釈もありますが、一般的には昇降機塔等と同様として取扱います。
また、階段室等は、階数に算入しない場合でも「階(PH階)」には算入されるため、その部分の床面積は延べ面積に算入されます。
高さ・階数の算定方法・同解説について(平成7年5月22日事務連絡)
階数に算入されない建築物の屋上部分とは、通常の使用時には人が進入せず、かつ用途、機能、構造上、屋上に設けることが適当であると認められる部分をいう。
ア 屋根及び柱もしくは壁を有し(つまり屋内的空間を有し)、形式的には「階に」に該当するが、保守点検時、非常時等を除き、通常の使用時には人が内部に入らないこと。
イ 用途、機能、構造上、屋上に設けることが適当であること。
ポイント
屋上部分に屋上庭園などを設ける場合は、階段室等であっても階数に含まれる可能性がありますので、特定行政庁に事前に確認したほうがいいかと思います。
階とは
定義
ポイント
建築基準法、施行令等では「階」の定義は定められていません。
よって、法律で○階以上や○階にといった場合は、階数なのか、地上○階なのか条文によって、扱いが違うのでご注意ください。
地階:外壁が土に面していなくても地階の場合もある
ポイント
- 地階の判定は、部分的に判定をするのではなく、一の階ごと全体で判定する。
- 地盤面の高さは令第2条第2項に規定する地盤面とは異なり、原則、一の階ごとの平均地盤面を設定する。
よって、傾斜地に建築されている建築物はある部分は土の中の部分もあり、ある部分は地上に出ている部分があります。
定義
令第1条第1項第二号
床が地盤面下にある階で、床面から地盤面までの高さがその階の天井の高さの1/3以上のものをいう。
床が地盤面下にある階とは
- 建築物の当該階の部分における床の一部が地盤面下にある階のうち、当該床の周長の過半が地盤面よりも低い位置にある階とする。(外壁ラインの床の高さが周囲の地盤より低い部分が外壁ラインの長さの1/2を超えている)
地盤面とは
- 建築物が周囲の地面と接する一の平均の高さにおける水平面。
床面から地盤面までの高さ
- 当該階における最も高い位置における床面から地盤面までの高さ。
階の天井の高さ
- 当該階における最も高い位置における床面から当該階における最も高い位置にある天井面までの高さ
まとめ
これまで、大規模の修繕と大規模の模様替について解説しましたが、最後にまとめると以下ようになります。
階数
あくあまでいくつ床が重なっている築物であるか。となります。
また、階数に算入しない場合があります。
階
建築基準法では定義されていない。
それぞれの規定で、階と表記されている部分がある場合は、階数と同じに扱うのか、違うのかを判断しなければなりません。
地階
地階になるのか、それとも1階なのか確認する必要があります。
以上です。
ここでは、法文等や参考書をもとにまとめています。
しかし、特定行政庁や民間確認検査機関によって取扱いが違う場合がありますので、これを参考にご確認いただけたらと思います。