総則

公共事業で敷地面積が減少したら既存不適格? 違反?【法第86条の9】

行政で既存建築物の概要書を閲覧していると、建ぺい率が現行基準に合わないことがたまにあります。

そこで指定されている建ぺい率を調べるも、建築後の指定の変更はない。

概要書の配置図を見ると、現状と配置図が違う。

敷地が減り、道路が拡幅されている。

こういった建築物または建築物の敷地は、それなり存在しています。

そこで、この記事では

はてな

公共事業等により敷地が減り、基準に適合しなくなった建築物は、違反建築物?それとも既存不適格建築物?

について、解説します。

 

公共事業の施行等による敷地面積の減少についての法第3条等の規定の準用【法第86条の9】

平成17年6月1日の改正後(現在)

公共事業に減少により、現行の規定に適合していない敷地および建築物は既存不適格となります。

規定としては、建ぺい率、容積率、用途地域、敷地の最低限度等が想定されます。

しかし、隣地に道路が新しくできて、高さの制限(道路斜線)の規定に適合しない場合は、既存不適格に該当しません。

 

平成17年6月1日の改正以前

公共事業による敷地の減少により、現行の規定に適合しなくなった場合は、既存不適格とはならず、違反として扱うこととなっていました。

よって道路行政に協力、貢献しながら、建築物は、違反になるという不合理な状態でした。

 

条文

法第86条の9 (公共事業の施行等による敷地面積の減少についての法第3条等の規定の準用)

第3条第2項及び第3項(第1号及び第2号を除く。)の規定は、次に掲げる事業の施行の際現に存する建築物若しくはその敷地又は現に建築、修繕若しくは模様替の工事中の建築物若しくはその敷地が、当該事業の施行によるこれらの建築物の敷地面積の減少により、この法律若しくはこれに基づく命令若しくは条例の規定に適合しないこととなつた場合又はこれらの規定に適合しない部分を有するに至つた場合について準用する。この場合において、同項第3号中「この法律又はこれに基づく命令若しくは条例の規定の施行又は適用」とあるのは、「第86条の9第1項各号に掲げる事業の施行による建築物の敷地面積の減少」と読み替えるものとする。

一 土地収用法第3条各号に掲げるものに関する事業若しくは都市計画法の規定により土地を収用し、若しくは使用することができる都市計画事業又はこれらの事業に係る土地収用法第16条に規定する関連事業

二 その他前号の事業に準ずる事業で政令で定めるもの

2 第53条の2第3項(第57条の5第3項、第67条第4項及び第68条第4項において準用する場合を含む。以下この項において同じ。)の規定は前項各号に掲げる事業の施行による面積の減少により、当該事業の施行の際現に建築物の敷地として使用されている土地で第53条の2第1項(第57条の5第3項において準用する場合を含む。)、第67条第3項若しくは第68条第3項の規定に適合しなくなるもの又は当該事業の施行の際現に存する所有権その他の権利に基づいて建築物の敷地として使用するならばこれらの規定に適合しないこととなる土地について準用する。この場合において、第53条の2第3項中「同項の規定は」とあるのは「第1項、第67条第3項又は第68条第3項の規定は」と、同項第1号中「第1項の都市計画における建築物の敷地面積の最低限度が変更された際、」とあるのは「第86条の9第1項各号に掲げる事業の施行により面積が減少した際、当該面積の減少がなくとも」と、「従前の制限」とあるのは「制限」と、同項第2号中「第1項」とあるのは「第1項(第57条の5第3項において準用する場合を含む。)、第67条第3項若しくは第68条第3項」と、「同項」とあるのは「これら」と読み替えるものとする。

第137条の17 (公共事業の施行等による敷地面積の減少についての法第3条等の規定の準用)

法第86条の9第1項第2号の政令で定める事業は、次に掲げるものとする。

一 土地区画整理法(昭和29年法律第119号)による土地区画整理事業(同法第3条第1項の規定により施行するものを除く。)

二 都市再開発法(昭和44年法律第38号)による第1種市街地再開発事業(同法第2条の2第1項の規定により施行するものを除く。)

三 大都市地域における住宅及び住宅地の供給の促進に関する特別措置法(昭和50年法律第67号)による住宅街区整備事業(同法第29条第1項の規定により施行するものを除く。)

四 密集市街地における防災街区の整備の促進に関する法律による防災街区整備事業(同法第119条第1項の規定により施行するものを除く。)

既存不適格となる事業の種類

第1号の事業

法第86条の9第1項第1号、第2号の事業のうち執行に関し、強制力が付与されているものになります。(個人施行者によって、地権者の同意をもって行う事業は除く。)

簡単にいいますと、その事業に反対しても、事業主(国、地方公共団体等)に敷地を引き渡さなければならない事業です。

 

事業の種類

  • 土地収用法第3条各号に掲げるものに関する事業
  • 都市計画法の規定により土地を収用し、若しくは使用することができる都市計画事業
  • 土地収用法第16条に規定する関連事業

第2号の事業(その他前号の事業に準ずる事業で政令で定めるもの)

第2号では政令で定めるとなっており、令第137条の17に該当する事業が記載されています。

 

事業の種類

  1. 土地区画整理法による土地区画整理事業(同法第3条第1項の規定により施行するものを除く。)
  2. 都市再開発法による第1種市街地再開発事業(同法第2条の2第1項の規定により施行するものを除く。)
  3. 大都市地域における住宅及び住宅地の供給の促進に関する特別措置法による住宅街区整備事業(同法第29条第1項の規定により施行するものを除く。)
  4. 密集市街地における防災街区の整備の促進に関する法律による防災街区整備事業(同法第119条第1項の規定により施行するものを除く。)

既存不適格となる規定の種類

法第86条の9第1項

同項第3号中「この法律又はこれに基づく命令若しくは条例の規定の施行又は適用」とあるのは、「第86条の9第1項各号に掲げる事業の施行による建築物の敷地面積の減少」と読み替えるもの

と、条文中にあるため、法第3条第2項、第3項(第1号、第2号は除く。)の適用を受けることができます。

 

 

法第86条の9第2項

第1項の事業によって生じた敷地の減少によりに下記の規定に適合しなくなる敷地については、法第53条の2第3項の規定を準用することとして、そのまま既存敷地の使用ができます。

 

事業の種類

  • 敷地面積の最低限度に関する規定
  • 高層住居誘導地区
  • 特定防災街区整備地区
  • 景観地区における最低限度制限

 

敷地の減少の基準日

基準となる日の扱いですが、明確なものがないため、特定行政庁のよって扱いが違うかと思います。

参考になるものとしては、用地契約書に記載されている明け渡し期限または、土地の謄本の所有権移転の日など、ある程度公的な書類で確認できる日にちになろうかと思います。

 

増築時は遡及適用

既存不適格になった建築物を増築等する場合は、当然に遡及適用されます。

 

改正前の特定行政庁の取扱い

改正前は既存不適格ではなく違反建築物になるため、当敷地内で増築等を行う場合は、不適合部分を改善する必要がありました。

民間解放までは、特定行政庁によっては、既存不適格扱いとして取扱っていた物件もあります。

また違反として扱い、増築等ができないとなる場合は、建築主事が事業主を納得させるのにはかなり苦労が必要だったかと思います。

まとめ

この記事では、

はてな

公共事業等により敷地が減り、基準に適合しなくなった建築物は、違反建築物?それとも既存不適格建築物?

について、解説しましたが、最後にまとめます。

平成17年6月1日の改正後(現在)

公共事業に減少により、現行の規定に適合しなくなった場合は、敷地および建築物は既存不適格となります。

規定としては、建ぺい率、容積率、用途地域、敷地の最低限度等が想定されます。

しかし高さの制限(道路斜線)の規定に適合しないに場合は、既存不適格に該当しません。

平成17年6月1日の改正以前

既存不適格とはならず、違反として扱うこととなっていました。

対象となる事業

第1号

事業の種類

  • 土地収用法第3条各号に掲げるものに関する事業
  • 都市計画法の規定により土地を収用し、若しくは使用することができる都市計画事業
  • 土地収用法第16条に規定する関連事業

第2号

事業の種類

  1. 土地区画整理法による土地区画整理事業
  2. 都市再開発法による第1種市街地再開発事業(
  3. 大都市地域における住宅及び住宅地の供給の促進に関する特別措置法による住宅街区整備事業
  4. 密集市街地における防災街区の整備の促進に関する法律による防災街区整備事業

 

以上です。

以前は、既存不適格もない制度であったため、取扱いが少し違う場合があります。

そのため、今回の規定に該当する場合は、所管の特定行政庁にご確認ください。

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