防火

別表第1の耐火建築物等とする必要がある2階3階【法第27条関係】

法27条第1項、第2項、法別表第1の規定により、耐火建築物等としなければならない建築物の規定があります。

法別表第1の(ろ)は、(い)の用途に供する階が階以上、(は)は、(い)の用途に供する部分が、(2)項及び(3)項は、(5)項は階以上と記載されています。

2階以上や3階以上とは、建築物の階数か?それとも地階がある場合は?となります。

そこで、この記事では、

はてな

  • 法別表第1の2階以上、3階以上とは?
  • 地階がある場合は?
  • 3階以上を管理者専用とした場合も耐火建築物等にする必要がある?

を解説します。

 

 

耐火建築物等とする必要がある2階以上、3階以上とは?

2階、3階以上について、地階は含まない!

地階は含まず、地上からの階数が2階、3階以上の場合に耐火建築物等にする必要があります。

よって、地階は関係ありません。

なお、3階部分のみに(い)欄に該当する用途にした場合も耐火建築物等にする必要があります。

3階以上を管理者専用とした場合も耐火建築物等にする必要がある!

3階以上を利用者が使用しない管理専用の事務所、倉庫とした場合でも、3階部分の主たる用途が(い)欄の用途に該当する場合は、耐火建築物等にする必要があります。

 

解説:条文

法第27条は長いので、法令集等でご確認ください。

また、令和元年6月25日に改正がありました。

※なお、今回の説明内容は、改正に関係ありませんので、古い法令集を見ていただいても大丈夫です。

法第27条

法第27条は、用途と規模によって、耐火建築物等にする必要がある建築物を記載しています。

第1項第1号

別表第1(ろ)欄に掲げる階を同表(い)欄(1)項から(4)項までに掲げる用途に供するもの、と記載しています。

(ろ)欄には、【3階以上の階】と記載しているので、3階以上の部分に(い)欄に該当する用途がある場合は、耐火建築物等にする必要があります。

第2項第2

号に、別表第一(ろ)欄(6)項に掲げる階を同表(い)欄(6)項に掲げる用途に供するもの、と記載しています。

解説は上記の第1項第1号と同じです。

別表第1

耐火建築物等としなければならない特殊建築物(第6条、第27条、第28条、第35条―第35条の3、第90条の3関係)

(い)(ろ)(は)(に)
用途(い)欄の用途に供する階(い)欄の用途に供する部分((1)項の場合にあつては客席、(2)項及び(4)項の場合にあつては2階(5)項の場合にあつては3階以上の部分に限り、かつ、病院及び診療所についてはその部分に患者の収容施設がある場合に限る。)の床面積の合計(い)欄の用途に供する部分の床面積の合計
(1)劇場、映画館、演芸場、観覧場、公会堂、集会場その他これらに類するもので政令で定めるもの3階以上の階200㎡(屋外観覧席にあつては、1000㎡)以上
(2)病院、診療所(患者の収容施設があるものに限る。)、ホテル、旅館、下宿、共同住宅、寄宿舎その他これらに類するもので政令で定めるもの3階以上の階300㎡以上
(3)学校、体育館その他これらに類するもので政令で定めるもの3階以上の階2000㎡以上
(4)百貨店、マーケット、展示場、キャバレー、カフェー、ナイトクラブ、バー、ダンスホール、遊技場その他これらに類するもので政令で定めるもの3階以上の階500㎡以上
(5)倉庫その他これに類するもので政令で定めるもの200㎡以上1500㎡以上
(6)自動車車庫、自動車修理工場その他これらに類するもので政令で定めるもの3階以上の階150㎡以上

 

となっています。

2階以上または3階以上について

2階または3階以上が利用者が使用しない部分で管理者が使用する、または、倉庫として使用する場合は、耐火建築物とする必要があります。

また、複合用途の場合でも、3階に別表第1(い)欄の用途に供する部分あれば、耐火建築物等にする必要があります。

3階は地上3階または階数が3階か

地上2階、地階1階の建築物は、別表第1の3階以上に該当するか。についてですが、下記の質疑応答2を参考にすると、耐火建築物等にする必要はありません。

あくまでも、地上3階であることがわかるかと思います。

質疑応答1(昭和46.12.13玉住指発1810)

旅館の用途に供する建築物に対する法第27条第1項の規定の適用

質疑

法第27条第1項第1号の規定によると、3階以上の階を旅館の用途に供する特殊建築物は耐火建築物にしなければならないとあるが、

次のような建築物の場合の取扱いについて、ご教授願いたい。

  • 既存木造2階建の旅館に、3階を木造で増築し布団部屋に使用する計画があり、旅館の廊下、会談を通じて布団部屋に連絡している。
  1. この場合、法第27条第1項第1の規定による旅館の用途に供するとは、旅館の布団部屋、物置等以外のいわゆる客間、調理場、廊下、階段等宿泊者の災害避難などに関係ある用途のもののみと解してよろしいか。
  2. 木造3階の増築部分を経営者または従業員住宅にした場合、2階の旅館部分と廊下、階段を共有しているときは、住宅であっても、旅館と一体性があるので耐火建築物としなければならないと解してよいか。
  3. 3階の住宅の階段等を旅館と別に専用に設けて住宅として独立させた場合には、当該建築物は耐火建築物としなくてもよいと解してもよいか。
  4. 既存の木造2階建の旅館に違反で3階(6畳2室)を増築したため、3階の床を除却させ使用不能な状態にした場合には、当該建築物を2階建と解してよいか。

回答

1について

旅館の用途に供するとは、宿泊者の宿泊の用途に供する部分のほか、宿泊の用途に供することはないが宿泊者の宿泊のための諸施設の用途に供する部分及びこれら部分の管理のために必要がある部分で通常、宿泊者の宿泊の用途に供する部分と一体として使用され、管理されるものの用途に供することをいい、布団部屋はもとより物置等も含まれる。

2及び3について

住宅の用途に供する部分は、その部分が明らかに旅館の管理の目的を有しないものである場合は旅館の用途に供することはならない。

なお、本設問の場合において住宅の使用者が旅館の使用者と異なるときは、その使用者の別に応じ3以上の階を共同住宅または寄宿舎の用途に供する場合に該当する。

4について

貴見のとおりである。

質疑応答2(昭和29.2.4住発72)

地階のある場合の階数及び病院の用途の範囲

照会

法第27条第2号、3号及び第4号に規定する階は、地上階のみでなく、地階のある場合それが階数に算入されるものであれば、地階を含めた階と解して差し支えないか。

例えば、病院の用途に供する建築物で地上2階建の木造建築物に地下室を増築する場合、増築する部分が階数に算入される大きさのものであれば、増築後この建築物は法第27条第3号の建築物となるから、主要構造部を既存共耐火構造としなければならないと解して差し支えないか。しかし、この場合の地上2階建の用途が患者のに直接関係のない院長室、医局、研究室、宿直室等の場合に既存の木造のままで増築しても差し支えないと考えられるか如何。

回答

法第27条第2号、第3号及び第4号にいう2階または3階とは、地上から数えてそれぞれ第2または第3の階という意味であるから、地階の有無には関係しない。なお、病院の用途に供するの中には、当該院長室、医局、研究室、応接室、宿直室等の病院の一部をなすものは包含される。

(法第27条はその後改正されたので、「法第27条第2号、第3号及び第4号」とあるのは、「法第27条及び別表第1」と読み替えるものとする。)

まとめ

この記事では、

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  • 法別表第1の2階以上、3階以上とは?
  • 地階がある場合は?
  • 3階以上を管理者専用とした場合も耐火建築物等にする必要がある?

について解説しましたが、最後に上記の質問について、解説をまとめます。

 

地上2階、3階以上であり、地階は含まない!

法第27条や法別表第1に記載している、2階、3階以上の階については。地階は含まず、地上からの階数が2階、3階以上の場合に耐火建築物等にする必要があります。

よって、地階は関係ありません。

なお、3階部分のみに(い)欄に該当する用途にした場合も耐火建築物等にする必要があります。

3階以上を管理者専用とした場合も耐火建築物等にする必要がある!

3階以上を利用者が使用しない管理専用の事務所、倉庫とした場合でも、3階部分の主たる用途が(い)欄の用途に該当する場合は、耐火建築物等にする必要があります。

 

以上となります。

なお、特定行政庁や民間確認検査機関によって、取扱いが違う場合がありますので、これを参考に所管の特定行政庁にご確認ください。

 

 

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