採光

居室の採光の解説(法第28条)

居室の採光と言えば、床面積に対して開口部が1/20必要と考えると思います。

それではなく、【法第28条】に規定している採光が必要な居室です。

法第28条で、自然採光を必ず設けなければならず、非常用の照明装置で免除ができない規定となっています。

ですので、要注意となります。

この記事では、

はてな

  • 採光が必要な居室(建築物)の種類
  • 床面積に対する採光面積の割合
  • 2室を1室とみなす

について、解説していますのでご確認ください。

 

採光が必要な居室(建築物)の種類と床面積に対する採光割合

採光が必要な居室(建築物)と床面積に対する採光割合は、法第28条と令第19条第2項に記載されています。

2室を1室とみなす

ふすま、障子等引違いの戸で随時開放できるもので仕切られている室は、その2つの居室を1室とみなして取扱うことができます。

片引き、開き戸は原則、不可です。

 

それでは、これから解説します。

解説(法第28条、令第19条)

採光が必要な居室(建築物)の種類

該当条文は、法第28条、令第19条に記載しています。

自然採光が必要な建築物として、住宅、学校、病院、診療所、寄宿舎、児童福祉施設等です。

床面積に対する有効採光面積

採光が必要な居室(建築物)と床面積に対する採光割合を表で表すと下記のとおりです。

 

児童福祉施設等

この規定でいう児童福祉施設等とは、

  • 児童福祉施設(幼保連携型認定こども園を除く。)
  • 助産所
  • 身体障害者社会参加支援施設(補装具製作施設及び視聴覚障害者情報提供施設を除く。)
  • 保護施設(医療保護施設を除く。)
  • 婦人保護施設
  • 老人福祉施設
  • 有料老人ホーム
  • 母子保健施設
  • 障害者支援施設
  • 地域活動支援センター
  • 福祉ホーム
  • 障害福祉サービス事業(生活介護、自立訓練、就労移行支援又は就労継続支援を行う事業に限る。)

 

また、福祉系の法律は近年頻繁に改正していたり、名称が変更いしていたりするので、その都度を確認してください。

ですが、児童福祉施設の居室とは、日常部分の大部分を過ごす場合や、保育、訓練、日常生活に必要な便宜の供与といった目的に使用される部屋をいいます。

談話や娯楽の木い敵のために使用される居室も対象となります。

採光に有効な部分の面積(採光補正係数)

ポイント

開口部の面積(有効採光面積)は窓の面積×採光補正係数で算出します。

採光補正係数とは、同じ開口部でも、開口部の前にすぐに隣地の建築物がある場合と、空地や、道路に面する場合では、窓に入ってくる光の量が全然違います。

そこで、窓の面積×採光補正係数で算出した有効採光面積が1/5、1/7、1/10必要となります。

採光補正係数については、後日、解説します。

緩和規定あり(1/7または1/10に緩和)平30告示474

原則、上記の採光が必要となります。

しかし、告示に記載している居室で、必要な措置に応じて、有効採光面積が1/5から1/7または1/10に緩和されます。

イメージとしては、必要な採光を自然採光+照明設備で確保する内容となっています。

1/7に緩和

対象居室①
  • 幼稚園の教室
  • 幼保連携型認定こども園の教室
  • 保育所の保育室
措置
  • 床面で200ルックス以上の照度を確保できる照明設備を設置
対象居室②
  • 小学校、中学校、義務教育学校、高等学校、中等教育学校の教室
措置
  • 床面から50cmの水平面で200ルックス以上の照度を確保できる照明装置を設置
  • 床面から50cm以上の採光上有効な開口部の面積が床面積の1/7以上

1/10に緩和

対象居室
  • 小学校、中学校、義務教育学校、高等学校、中等教育学校の教室
措置
  • 令第20条の2に規定する換気設備を設置

法第28条ただし書き(H7住指発153)

ただし書きで、下記の居室について、自然採光は不要となります。

  • 地階、地下工作物内の居室
  • 用途上やむを得ない居室

しかし、法第35条の3(無窓の居室等の主要構造部)の規定は適用されますので、ご注意ください。

採光のための開口部を設けることを要しない居室についてH7住指発153)

用途上やむを得ない居室とは

温湿度調整を必要とする作業を行う作業室

  • 作業室、実験室、手術室、精密機器による検査室、治療を行う居室

用途上やむを得ない居室

  • 防音措置を講ずる居室
  • 暗室、映像等の自然光を除く必要がある居室
  • 自然光が診療、検査の障害となる居室

法第28条で規定される建築物の中で、法第28条の規定を受けない居室は、未成年、利用者等が使用しない下記の居室等となります。

  • 事務室、会議室、応接室
  • 調理室、印刷室

以上のように、居室の用途や使う人が限定されている場合は、法第28条の規定はかかりません。

ですが、微妙な使い方となる場合は、特定行政庁にご確認ください。

2室を1室とみなす(法第28条第4項)

本来、1室ごとに有効採光面積を確保する必要があります。

しかし、ふすま、障子等の随時開放できるもので仕切られている室に限っては、その二つの居室を1室とみなして取扱うことができます。

なお、2室までであり、3室以上は不可となります。

ふすま、障子等とは

原則は、昔の家の和室続きの関係性のように、ふすま、障子等をのけると1室として、利用ができるものとなります。

現在では、そのような平面プランは少なく、通常の引違いの建具でも2室1室の取扱いがOKな特定行政庁が多いです。

しかし、開き戸や、片引き戸など、建具を外したとしても、1室として使用が困難な場合などは、2室1室としての取扱いは不可となります。

現在は、商業地域、近隣商業地域の特例もあります。

これについては、後日、解説します。

まとめ

この記事では、

はてな

  • 採光が必要な居室(建築物)の種類
  • 床面積に対する採光面積の割合
  • 2室を1室とみなす

について、解説しました。

改めてまとめます。

採光が必要な居室(建築物)の種類と床面積に対する採光割合

採光が必要な居室(建築物)と床面積に対する採光割合は、法第28条と令第19条第2項に記載されています。

2室を1室とみなす

ふすま、障子等引違いの戸で随時開放できるもので仕切られている室は、その2つの居室を1室とみなして取扱うことができます。

片引き、開き戸は原則、不可です。

 

以上、最後にまとめました。

日々の業務の参考にしていただけたらと思います。

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