よく無窓居室には、非常用の照明装置の設置をすればいいと安易に考える場合があります。
しかし、無窓居室の種類によって、適用を受ける規制が違います。
そもそも、無窓居室ってどんな状態で、どんな規定がかかるようになるのか法文だけではわかりにくいです。
そこで、この記事では、
はてな
- 無窓居室の種類
- 無窓居室になった際に適用をうける規定
について解説します。
無窓居室の種類
ポイント
- 採光無窓
- 換気無窓
- 排煙無窓
- 避難上無窓
の4つの種類があります。こう見るとよく見る内容です。
無窓居室になった際に適用をうける規定
採光無窓の居室
1.採光上有効な開口部の面積が居室の床面積の1/20未満の居室(法第35条、法第43条)
- 直通階段までの歩行距離(令116条の2→令120条)
- 非常用の照明装置の設置(令116条の2→令126条の4)
- 道路幅員、接道長さの条例による制限付加(第144条の5→法第43条第3項第3号
2.上記1および避難上無窓の場合(法第35条の3)
- 居室を区画する主要構造部を耐火構造または不燃材料(令第111条)
避難上無窓とは(令第111条第2号)
直接外気に接する避難上有効な構造のもので、かつ、その大きさが直径1m以上の円が内接することができるもの又はその幅及び高さが、それぞれ、75㎝以上及び1.2m以上の開口部がないもの
採光の1/20または避難上有効な開口部があればOKです!
換気無窓の居室
換気上有効な開口部の面積が居室の床面積の1/20未満の居室(法第28条)
- 自然換気、機械換気、空気調和設備などの設置(令20条の2)
排煙無窓の居室
二つに分かれます。
1.排煙上有効な開口部の面積が居室の床面積の1/50未満の居室(法第35条、法第43条)
- 排煙設備の設置(令第116条の2→令126条の2)
- 道路幅員、接道長さの条例による制限付加(第144条の5→法第43条第3項第3号)
2.次のいずれかに該当する居室(天井高さが6mを超えるものは除く)(法第35条の3)
上記1の開口部と避難上有効な開口部の両方ない場合にかかる規定です。
どちらかあればOKです!!
- 居室を区画する主要構造部を耐火構造または不燃材料(令第111条)
解説
採光無窓の居室
採光無窓の定義がそれぞれで記載されていますが、下記のとおりです。
ポイント
令第20条の規定より計算した採光に有効な部分の面積の合計が、当該居室の床面積の1/20分以上の窓その他の開口部を有しない居室
言い換えると、採光上有効な開口部の面積が床面積の1/20未満の居室です。
適用を受ける規定
採光無窓により適用を受ける規定は2つに分かれます。
法第35条
- 令第116条の2第1項第1号→令第117条(廊下、避難階段及び出入口)
- 令第126条の4(非常用の照明装置)
- 令第127条(敷地内の避難上及び消火上必要な通路等)※1
※1 排煙条有効な開口部が確保できていれば不要です。(令第116条の2)
法第35条の3(無窓の居室等の主要構造部)
- 令第111条第1項第1号
令第111条の規定は第1号の1/20の採光無窓または、下記の第2号に規定も満たしていない場合に適用を受けます。よって、第1号または第2号のどちらかを満たしていれば、この規定は適用されません。
第2号
直接外気に接する避難上有効な構造のもので、かつ、その大きさが直径1m以上の円が内接することができるもの又はその幅及び高さが、それぞれ、75cm以上及び1.2m以上のもの
換気無窓の居室
ポイント
換気上有効な開口部の面積の合計が当該居室の床面積の1/20分以上の窓その他の開口部を有しない居室
言い換えると、換気上有効な開口部の面積が床面積の1/20未満の居室です。
適用を受ける規定
法第28条ただし書き規定(→令第20条の2)
ただし、政令で定める技術的基準に従つて換気設備を設けた場合においては、この限りでない。
- 令第20条の2(換気設備等の設置)
と定められています。
自然換気設備、機械換気設備、空気調和設備などの設置が必要となります。
排煙無窓の居室
ポイント
排煙上有効な開口部の面積の合計が当該居室の床面積の1/20分以上の窓その他の開口部を有しない居室
言い換えると、採光上有効な開口部の面積が床面積の1/20未満の居室です。
適用を受ける規定
排煙無窓により適用を受ける規定は大きくの2つに分かれます。
法第35条
- 排煙設備の設置(令第116条の2第1項第1号→令第126条の2)
法第43条第3項第3号
- 接道条件の付加(第144条の5→令第116条の2)
地方公共団体が条例で定めることができる規定ですが、定めている行政をみたことがありません。
まとめ
この記事では、
はてな
- 無窓居室の種類
- 無窓居室になった際に適用をうける規定
について、解説しました。
改めて、まとめます。
無窓居室の種類
ポイント
- 採光無窓
- 換気無窓
- 排煙無窓
- 避難上無窓
の4つの種類があります。こう見るとよく見る内容です。
無窓居室になった際に適用をうける規定
採光無窓の居室
1.採光上有効な開口部の面積が居室の床面積の1/20未満の居室(法第35条、法第43条)
- 直通階段までの歩行距離(令116条の2→令120条)
- 非常用の照明装置の設置(令116条の2→令126条の4)
- 道路幅員、接道長さの条例による制限付加(第144条の5→法第43条第3項第3号
上記1および避難上無窓の場合(法第35条の3)
- 居室を区画する主要構造部を耐火構造または不燃材料(令第111条)
避難上無窓とは(令第111条第2号)
直接外気に接する避難上有効な構造のもので、かつ、その大きさが直径1m以上の円が内接することができるもの又はその幅及び高さが、それぞれ、75㎝以上及び1.2m以上のもの
採光の1/20または避難上有効な開口部があればOKです!
換気無窓の居室
換気上有効な開口部の面積が居室の床面積の1/20未満の居室(法第28条)
- 自然換気、機械換気、空気調和設備などの設置(令20条の2)
排煙無窓の居室
1.排煙上有効な開口部の面積が居室の床面積の1/50未満の居室(法第35条、法第43条)
- 排煙設備の設置(令第116条の2→令126条の2)
- 道路幅員、接道長さの条例による制限付加(第144条の5→法第43条第3項第3号)
2.次のいずれかに該当する居室(天井高さが6mを超えるものは除く)(法第35条の3)
- 居室を区画する主要構造部を耐火構造または不燃材料(令第111条)
上記1の開口部と避難上有効な開口部の両方ない場合にかかる規定です。
どちらかあればOKです!!
以上、無窓居室の種類と無窓居室にかかる規定を解説しました。
日々の業務の参考にしていただけたらと思います。