集団規定

建ぺい率の制限の解説【法第53条】

建築物を計画するときにまず、確認する項目の中に建ぺい率があります。

不動産情報でも、かなり重要な項目になります。

建ぺい率は、ここ数年大きな改正がありませんでしたが、令和元年6月25日にかなり大きな改正がありました。

そこで、この記事では、

はてな

  • 建ぺい率(建蔽率)とは?
  • 目的は?
  • 大きな改正内経緯
  • 条文の解説

について、解説します。

改正の詳細は、後日記事にします。

建ぺい率とは

建築物の敷地面積に対する建築面積の割合を建ぺい率といいます。

敷地内に2以上の建築物がある場合は、その合計が建築面積の合計となります。

式で表すと建ぺい率のイメージ図

100%の図は敷地いっぱいに建築物がある状態です。

50%の図は敷地の半分に建築物がある状態です。

目的

敷地内に一定の空地を確保し、いわゆる建て詰まりを防止し、建築物の採光、通風を確保するとともに、良好な市街地環境の確保を図ろうとするもの。

※出典 国土交通省 建築基準法概要集

国交省の資料に上記のように記載されています。

 

体感で説明しますと、部屋の中と同じで、空間に対する物の密集度が高いと空気が淀むといいますか、空気の流れが悪くなると思います。

そういった、イメージを都市全体で考えたとき、防災性の向上や、都市の日照、通風、採光等と敷地内に空地を確保するために、建ぺい率の制限があります

 

同様の趣旨の規制として、容積率制限、高さの制限などがあります。

大きな改正経緯

昭和46年以前

建ぺい率は、昭和25年の建築基準法制定時からあります。

建ぺい率と高さ制限で建築物の容積や形態が制限されていました。

その後、昭和46年に改正がありました。

昭和46年以降

昭和46年に、集団規定に容積率の制限が追加になり、概ね現行基準になりました。

その後、用途地域や、指定建ぺい率が多様化され、現在に至ります。

令和元年6月

元々、防火地域(8/10以外)で耐火建築物場合、10%の緩和がありました。

しかし当改正で、防火地域の準耐火建築物準防火地域の耐火建築物または準耐火建築物10%の緩和となりました。

 

建ぺい率の制限の全体像

建ぺい率の制限【法第53条第1項~第9項】の主なものをまとめると下記のとおりです。

ポイント

  • 都市計画で建ぺい率が定められている(第1項)
  • 防火・準防火地域の耐火建築物、準耐火建築物および街区の角の敷地は緩和(第3項および第5項)
  • 壁面指定の地域等で許可により、緩和(第4項)
  • 建築物の種類によって、適用除外がある(第5項第2号)

それでは、ひとつずつ解説します。

 

建築面積とは

この規定を解説するにあたり、【建築面積】という定義をかくにんします。

 

第1項(各用途地域ごとに都市計画で定める)

建築物は都市計画で定められた建ぺい率を超えて建築してはいけません。

各用途地域ごとに指定できる数値が定めれれており、その数値から都市計画で定めることとなっています。

ポイント

  • 各用途地域の建ぺい率は、各号で定めることができる数値から都市計画で定められたもの
  • 用途地域の指定がない区域は、特定行政庁が定めることができる数値から都道府県都市計画審議会の議を経て定める

第1号(低層住居、中高層住居、田園、工専)

3/10、4/10、5/10、6/10

第2号(住居、準工)

5/10、6/10、8/10

第3号(近商)

6/10、8/10

第4号(商業)

8/10

第5号(工業)

5/10、6/10

第6号(指定のない区域)

3/10、4/10、5/10、6/10、7/10

 

よって調べるときは、各特定行政庁(地方公共団体等)で定めていますので、都市計画や建築指導課に確認されるとわかります。

また、同じ用途地域でも、場所によって、建ぺい率の限度が違う場合がありますので、町名地番また地図等で確認してください。

第2項(敷地が2以上の用途地域にわたる場合)

建築物の敷地が2以上の用途地域にわたる場合の規定です。

各用途地域ごとに建築可能な建築面積を算出し、各用途地域に建築可能な建築面積を合計したものが建築物の敷地に建築可能な建築面積になります。

昭和51年の改正前では、過半の用途地域の制限を適用していました。

計算方法(面積加重平均)

各用途地域の部分の面積に対し、各建ぺい率を乗じ、その用途地域ごとに建築可能な建築面積を算出し、敷地の面積比によって、加重平均により建築面積の限度を算定します。

計算例

ポイント

敷地全体200㎡(商業地域:100㎡建ぺい率80%、第一種住居地域:100㎡建ぺい率60%)の敷地全体の建ぺい率

(商業)8/10(80%)×100㎡+(一住)6/10(60%)×100㎡=1400

140÷200㎡=7/10(70%)

 

面積加重平均とは、上記のような全体の敷地面積に対する各用途地域の部分の割合を出して計算します。

昭和52年11月1日までは過半の規制

法第91条の規定により、それまでは建築物の敷地が2以上の地域にわたっていても、過半の用途地域の規制が適用されていました。

 

第3項(建ぺい率の緩和)令和元年6月に改正がありました!!

敷地内に空地または火に強い建築物の場合の緩和となります。

1号または2号のどちらかに該当する場合は、1/10緩和両方に該当する場合は、2/10緩和されます。

 

第1号(防火・準防火地域の耐火建築物等)令和元年改正!!

下記の地域内にある対象建築物は、1/10の緩和となります。

ポイント

 対象地域

    • 防火地域(8/10以外)
    • 準防火地域内

 対象建築物

    • 耐火建築部
    • 準耐火建築物
    • 上記の建築物と同等以上の延焼防止性能を有するとして政令で定める建築物

赤太文字の部分が令和元年に改正されました。

個人的には、令和元年の改正で一番いい改正だと思います!!

第2号(街区の角地)

計画敷地が特定行政庁が指定する角地に該当する場合は,1/10の緩和となります。

一般的に、特定行政庁が定めている条例、規則等に条件が記載されています。

また、条件に該当する敷地であるかは、特定行政庁はわからないため、敷地や道路を調査して、条件に該当するか確認が必要となります。

 

第1号と第2号の両方に該当する場合は、2/10の緩和となります!!

第4項(壁面線の指定または)第68条の2第1項

  • 隣地境界線から後退して壁面線の指定
  • 第68条の2第1項の規定に基づく条例で定める壁面の位置の制限

で、制限として定められた限度の線を越えない建築物で、特定行政庁が許可したものの建蔽率は緩和されます。

第3項と同様の趣旨で、一定の区域で一定の空地を設ける場合はある程度の空地を確保できるため、緩和されます。

第5項

各号の地区や区域で、指定された壁面線を超えない建築物で、特定行政庁が安全上、防火上及び衛生上支障がないと認めて許可した場合、第1項から第3項の規定による限度を超えることができます。

  • 特定行政庁が街区における避難上及び消火上必要な機能の確保を図る地区
  • 特定防災街区整備地区
  • 第68条の2第1項の規定に基づく条例において防災街区整備地区計画の区域

第6項(建ぺい率の適用なし)

下記の建築物については、建ぺい率の規定は、適用しません。

よって、建ぺい率は、100%まで可能となります。

第1号

防火地域(建ぺい率8/10に限る。)内にある耐火建築物等

第2号

巡査派出所、公衆便所、公共用歩廊その他これらに類するもの

第3号

公園、広場、道路、川その他これらに類するものの内にある建築物で特定行政庁が許可したもの

第7項

ポイント

敷地の設定

防火地域とその他の地域にわたる場合

敷地内の建築物

全部が耐火建築物等

 

第3項の1/10の緩和を受けることができたり、第6項第1号の建ぺい率の適用を受けなくなります。

また、耐火建築物等とは、第3項第1号イに定義しています。

 

第8項

ポイント

敷地の設定

準防火地域とその他の地域にわたる場合

敷地内の建築物

全部が耐火建築物等またはは準耐火建築物等

第7項の準簿価地域版の規定です。

 

第9項

第4項、第5項又は第6六項第3号の規定により、特定行政庁の許可を受ける場合は、第44条第2項の規定を準用します。

法第44条の第2項

特定行政庁は、許可をする場合においては、あらかじめ、建築審査会の同意を得なければならない。と記載しています。

よって、上記の建ぺい率の許可をする場合には、建築審査会の同意が必要となります。

 

まとめ

この記事では、

はてな

  • 建ぺい率(建蔽率)とは?
  • 目的は?
  • 大きな改正内経緯
  • 条文の解説

について、解説しましたが、最後にまとめます。

建ぺい率とは

建築物の敷地面積に対する建築面積の割合を建ぺい率といいます。

敷地内に2以上の建築物がある場合は、その合計が建築面積の合計となります。

目的

敷地内に一定の空地を確保し、いわゆる建て詰まりを防止し、建築物の採光、通風を確保するとともに、良好な市街地環境の確保を図ろうとするもの。

※出典 国土交通省 建築基準法概要集

国交省の資料に上記のように記載されています。

 

体感で説明しますと、部屋の中と同じで、空間に対する物の密集度が高いと空気が淀むといいますか、空気の流れが悪くなると思います。

そういった、イメージを都市全体で考えたとき、防災性の向上や、都市の日照、通風、採光等と敷地内に空地を確保するために、建ぺい率の制限があります

大きな改正経緯

建ぺい率は、昭和25年の建築基準法制定時からあります。

当時は、建ぺい率と高さ制限で建築物の容積や形態が制限されていました。

昭和46年以降は、集団規定に容積率の制限が追加になり、建ぺい率の基準としては、概ね現行基準になりました。

その後、大きな改正はなく令和元年6月に改正があり、防火地域(8/10以外)で耐火建築物場合、10%の緩和がありましたが、追加で、防火地域の準耐火建築物準防火地域の耐火建築物または準耐火建築物10%の緩和となりました。

建ぺい率の制限の全体像(解説)

ポイント

  • 都市計画で建ぺい率が定められている(第1項)
  • 防火・準防火地域の耐火建築物、準耐火建築物および街区の角の敷地は1/10または2/10の緩和(第3項および第5項)
  • 壁面指定の地域等で許可により、緩和(第4項)
  • 建築物の種類によって、適用除外がある(第5項第2号)

 

簡単ではありますが以上が、建ぺい率の解説になります。

日々の業務の役に立てればと思います。

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